ネクストトレンド美容成分!? パンテノ―ルの意外な効果

今回は、韓国コスメでもよく見るようになった美容成分「パンテノール」のお話です。
日本では某社のシャンプー「パンテーン」の影響もあり、ヘアケア成分のイメージをされる方も少なくないかもしれません。しかし肌への多様なメリットが科学的に裏付けられており、髪だけでなく、肌や爪などにも美容効果をもたらす、ネクストトレンド美容成分として注目される成分です。

パンテノールの構成と働き

パンテノール(Panthenol)はビタミンB5(パントテン酸)のアルコール誘導体で、皮膚や髪の内部に取り込まれると速やかにパントテン酸に変化します。パントテン酸は栄養素で必須ビタミンの一つ。皆様が口にする幅広い食品(植物や動物の中)に存在しています。

身体の中では、糖・脂質の代謝によるエネルギー産⽣や細胞活性に深く関わっていて、生物が生きていくために欠かせない物質です。化粧品としては高い保湿性の他にもさまざまな効果が確認されており、化粧品原料のほか医薬品原料としても古くから使用されている成分です。

化粧品に配合可能な医薬品成分[パンテノール]が持つ、効果効能をご紹介します。

医薬品成分としてのパンテノール

パンテノールは皮膚の新陳代謝を活性化することで知られています。
この特性から、医薬品の外用剤として、湿疹・皮膚炎、ひび・あかぎれなどの治療に広く使用されています。

例えば、海外ではパンテノールはその保湿⼒と皮膚治癒能⼒の高さからタトゥー後の保湿クリームへの配合にも推奨されています。また日焼け、軽度のやけど、軽度の皮膚損傷の治療に軟膏としても使用されます。

その他にも多くの効果効能を持ち、さまざまなトラブルに対して優れた機能を発揮します。
[肌の保湿]⽔分を補給し皮膚を柔軟で弾⼒のある状態にします
[創傷治癒]ひびやあかぎれ等の傷の治癒を助けます
[抗炎症]皮膚の炎症を和らげ、かゆみを軽減します
[肌荒れ]ターンオーバーを正常にし、肌を健康な状態に保ちます
[ニキビ・ニキビ跡]皮脂の分泌を抑制し、ニキビ跡を改善します
[美爪]⽖の⽔分保持量を増加し柔軟性を与え、折れ・割れを防ぎます
[育毛]毛⺟細胞の活性を促進します
[髪の保湿]毛髪に浸透して⽔分を補給し、持続する潤いとツヤを与えます

上記より、パンテノールが多くの効能を持ち合わせており、昔から活用されている理由がおわかりいただけたかとおもいます。

化粧品成分としてのパンテノール

化粧品成分としても認められているパンテノール。目的や濃度、規制基準に違いをもうけることで医薬品と差別化し、配合上限内で多くのスキンケア製品に配合されています。

主に肌の水分保持、保湿、軽度の肌荒れ対策を目的とした「保湿成分」として分類され、敏感肌用製品やエイジングケア製品に使われることが多いです。その他の効果は以下のとおりです。

  1. 保湿効果
    パンテノールは肌の角質層に浸透し、水分を引き寄せて保持する「ヒューメクタント(保湿剤)」として機能します。これにより、肌の乾燥を防ぎ、柔らかさとしなやかさを維持します。
  2. 肌バリアサポート効果
    パンテノールは⾓質層に作⽤して細胞間脂質(セラミドなど)と協働し、外部刺激や⽔分の蒸散を防いで肌の赤みや刺激に対してのバリア機能をサポートします。⽪膚に対する負担も少ないため、敏感肌の⽅を含む幅広い肌タイプに適応します。
  3. 爪や頭皮の角質柔軟化効果
    パンテノールは吸湿性の低分子物質です。浸透してパントテン酸に変化することにより爪の割れを軽減したり、頭皮環境を整えるための頭皮ケア成分としても使われます。
  4. ヘアコンディショニング効果
    浸透したパントテン酸が持続性の保湿効果を持つため、毛髪の損傷や枝毛の発生を抑制します。

化粧品配合における使用例

ローション、美容液、保湿クリーム、フェイスマスク、ヘアケア製品、リップバーム、ハンドクリーム、ボディクリーム、プライマー、BBクリーム、CCクリーム

パンテノールのさらなる可能性: ヒト幹細胞培養液やエクソソームとの相乗効果

パンテノールは、その優れた保湿、修復、バリア機能サポート効果に加え、最新のスキンケア技術と組み合わせることでさらに高い効果を発揮します。特に、ヒト幹細胞培養液エクソソームと併用することで、細胞の持つ力を高め、エイジングケアを叶える相乗効果が期待されています。この組み合わせが肌のダメージ修復やコラーゲン生成をサポートし、パンテノールの保湿・修復効果を補完することで、より高次元のスキンケアが可能になります。

このように、パンテノールは単体での効果はもちろん、他の先進成分との組み合わせによる革新的なアプローチにも活用されており、未来のスキンケアの可能性を広げています。


パンテノール配合のスキンケアをお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。
処方実績のある私達OEMが、スキンケアコンセプトに合わせた処方設計をご紹介いたします。

関連記事

  1. トリートメントは何でできているの?  …

  2. 弱点がある!?ヒト幹細胞培養液の真実について

  3. 【化粧品開発】SNSで人気再燃のペプチド、その魅力と効果に迫…

PAGE TOP