昨年あたりから人気が急上昇中の「ペプチド」とは?
化粧品に配合するうえで知っておきたいその効果や魅力をご紹介します。
ペプチド製品が美容分野で注目される具体的な効果とは
化粧品におけるペプチドは、肌の若々しさを取り戻す「アンチエイジング」の救世主として注目されています。コラーゲンやエラスチン、ケラチンなど、私たちの肌に不可欠なタンパク質の構成要素であり、健康的な肌の質感、しなやかさ、弾むようなハリを維持するのに役立つことが知られています。
ヘアケアでは、毛髪の成長サポート効果を持つペプチド配合のシャンプーなども人気です。
ペプチドとは?その基本メカニズム
ペプチドとは、アミノ酸が2個以上結合した化合物で、たんぱく質の構成要素となる小さな分子です。私たちの体内も存在するペプチドの効果は種類によって多岐にわたり、肌の再生を促進したり、筋肉増強を助けたりする機能が注目されています。
2個結合していると「ジペプチド」、3個だとトリペプチド、4個だと「テトラペプチド」、20個なら「オリゴペプチド」と名前が変わります。もっと多くのアミノ酸が結合すると「ポリペプチド」と呼ばれます。その個数が50以上のアミノ酸の集合体が「タンパク質」です。
人気再燃の理由
ペプチドが再び注目されているその背景には以下の要因があるようです。
◆コスメ史始まって以来の成分ブーム
◆インフルエンサーの影響力:著名な美容家やトレーナーがTikTokやInstagramなどのSNSでペプチドを推奨する投稿が増加。
◆科学的進展が後押し:ペプチドに関する研究が進むことで、その多彩な機能性が科学的に実証されつつあり、製品への信頼性がさらに高まっているため。
ペプチドの多彩な種類とその魅力
ペプチドはさまざまな役割を果たす「マルチタスク成分」として知られています。シグナル・キャリア・神経伝達阻害・抗菌・抗酸化などに分類され、化粧品業界で注目される代表的なペプチドには、次のようなものがあります。
・アセチルヘキサペプチド-8(神経伝達阻害)
神経伝達物質の放出を抑制することで、⽬元や⼝元、額にある表情じわに働きかける効果が期待
されています。 まさにボトックスの効果に似ているため、「塗るボトックス」と⾔われることも。
・グルタチオン(抗酸化)
白玉点滴で有名な成分ですが、「グルタミン酸」「システイン」「グリシン」という3つのアミノ酸から連なるペプチドです。高い抗酸化作用が特徴で、透明感のある肌を目指すケアに役立つ成分です。
また、ペプチド単体ではないのですが、抗菌効果を持つ浸透型ペプチドとビタミンCを融合させた浸透型ペプチドビタミンC誘導体「Pentide-C(ペンタイド‐C)」など、ペプチドの機能を活用してつくられる原料も存在します。
肌細胞の増殖を促進する成長因子ペプチド
また、ヒト幹細胞培養液にも成長因子ペプチドが含まれているのはご存知でしょうか。ペプチド研究が進む中で注目されているのが、幹細胞が分泌する多種多様なペプチドです。その役割は次のとおりです。
◆EGF(表皮成長因子 / Epidermal Growth Factor)
表皮に働きかけ、健康的な肌環境をサポート。
肌のターンオーバーにアプローチしてキメを整え、弾力を向上させます。
◆FGF(線維芽細胞成長因子 / Fibroblast Growth Factor)
コラーゲンやエラスチンをサポート。
ハリと弾力を与え、肌をしなやかに保ちます。
◆TGF-β(トランスフォーミング成長因子ベータ / Transforming Growth Factor Beta)
肌の弾力と保湿力を向上させ、健やかな肌環境を助けます。
◆VEGF(血管内皮成長因子 / Vascular Endothelial Growth Factor)
肌環境を整え、血色感のある健康的な肌をサポートします。
EGFやFGFなどの成長因子ペプチドは、肌の自己修復力を引き出す鍵となる成分です。これらを日々のスキンケアに取り入れることで、肌本来の力を高め、より健康的で若々しい肌を手に入れる助けとなるでしょう。
ヒト幹細胞培養液の魅力は、これらの成長因子が複雑に絡み合いながら作用し、肌全体の健康をサポートする点にあります。
コンセプトに合ったペプチドを化粧品に配合する
ペプチドはその多彩な機能性から、スキンケア製品に取り入れることで肌の再生や修復、ハリ感の向上など、さまざまな効果を引き出せる成分です。さらに、配合するペプチドを製品のコンセプトに合わせて選ぶことで、ターゲットとする肌悩みに特化したアプローチが可能になり、消費者の期待に応える製品作りの鍵となるでしょう。
最適な処方に迷われた際は、私達化粧品OEMメーカーを頼ってください。
コンセプトに基づいた配合設計をご紹介いたします。お気軽にご相談くださいませ。